第六章

第二話 たんぽぽの綿毛はまだ飛ばず


 サベージの首都カブランディア。
  獣をその身に宿す者たちの都。そのほぼ中央に聳え立つ白亜の城。
  獣王の居城ブライティア。雪が積もれば、なお一層美しく煌めくとし知られている。
  夜目の利く兵らがあちらこちらで警備している姿が見えた。
  城の敷地は広大であり、幾つもの施設を身の内に抱え込んでいる。
  そのうちの一つ、酒の貯蔵庫に幾人かの男たちが時間をおいて入っていった。
  貯蔵庫の地下には秘密の部屋がある。
  室内は今が冬であることを忘れさせる暖かみに満ちていた。
  暖炉の赤々とした炎。周囲の壁は板張りがなされ、床には毛足の長い絨毯が敷かれている。越冬の準備が完了していることが見て取れた。
  暖炉の前には獣王シェヴァリウス三世。その右手に天鷹公サンジェスト、左手には賢狼公ヴォルゲイフが集っていた。
  三獣の間。獣王を排出する三種族の長たちが集い会合を開く秘密の部屋だ。
「では、まずは乾杯だ」
  三人の男たちは立ち上がり、暖炉の前に掲げられた紋章にグラスを捧げた。
  虎、鷹、狼。その全てを有する一匹の獣が描かれたサベージ王家の紋章だ。
「三獣はここにあり。我ら天地を駆けし、身体を持ちてこの地を統べる者なり」
  紋章の下部に書かれた言葉を読み上げるとシェヴァリウスはグラスを干した。続いてヴォルゲイフとサンジェストも干す。
  注がれていた酒はセインティーグの三十五年物。以前、ヴォルゲイフが土産に持ってきたものだ。これが作られた蒸留所は火災を起こし、しかし残った数少ない物のうちの一本だ。その幸運を我らに、という意味を込めて三人は乾杯をしたのだ。
  今回は駄竜騒動に巻き込まれて無事乗り切ったヴォルゲイフにあやかるためだ。
「まずは無事の帰国、祝着至極だ」
「お役目の意味ではまさに。だが、賢狼のにとっては別かもしれんがな」
  シェヴァリウスの労いの言葉を、サンジェストはからかい混じりに繋げた。
  額から左頬にかけた虎の爪痕が笑みで崩れる。
  帰国後の報告はすでに済ませている。謁見の間では口頭で、同様の内容の報告書も提出している。今回の集まりはヴォルゲイフの個人的な感想を聞くためだ。
「茶化すな」
  牙を剥いて威嚇して見せたが、サンジェストは可笑しそうにしているだけだ。
「そういう貴様は楽しそうだな」
「楽しいとも。ラインボルトの副王が物の道理を弁えている。それが分かっただけでも収穫だ。あんな阿呆な和平案を飲み込んで、その補填を我らに求める。面白いではないか」
  それに、と天鷹の長は上機嫌で続けた。
「醤油の買い付けをしたいと言ってきただろう。それはつまり、賢狼のを介してだろうが我々とも積極的に付き合っていきたいという示唆だ。ロゼフ関係では楽しい交渉が期待できそうじゃないか」
「全く。サンジェスト、何にでも楽しみを求めすぎるのは貴様の悪い癖だ。嫡子に悪い影響を与えていないだろうな」
「さて、どうだろうな。もう義務は果たしたとばかりに時計弄りに熱を上げているよ」
  と、サンジェストは大げさに肩をすくめて見せた。
「全く……。まぁ、気分良くなる気持ちは分からなくもない。ヴィドゼガ騎士団がラインボルトに向かったそうだ」
  聖虎族は南部諸国に影響力を持っている。その地域の不安定要因であり、災害のような存在であった騎士団がラインボルトに移ったことはシェヴァリウスにとって喜び以外の何者でもない。サベージ主導で地域の安定を図れるだろう。
「しかし、あの国は災厄続きだな。王の立場を離れられるのであれば、心より同情申し上げるところだ」
「内乱に戦争、他国による領土の占領に略奪。”彷徨う者”に駄竜。今度はヴィドゼガ騎士団。……呪われているのではないか?」
  サンジェストは指折り数えて顔を顰めた。
  サベージと言えどもこれだけのことが続けば、王家が倒れてしまうかもしれない。
  この渦中には坂上アスナが存在している。
「ラインボルトの副王はどのような男だ。鷹狩りの指南もしたのだろう?」
「……温厚で素直な気質だな。女子どもには優しく、アクトゥスの王妃と姫には非常に親切にしていたな。その代わり使節団の副団長には当たりはきつかったな」
「ふむ」
「奴隷に落とされたアクトゥスの将兵たち全員に申告をさせたところから、相手の誇りを無闇に傷付けることを良しとしないようだ。」
「だが、件の副団長は衆目の中、面罵に近いことを言われたのだろう?」
  シェヴァリウスの問いにヴォルゲイフは少し考えてから答えた。
「権威と実務を分けて考えているのかもしれんな」
  他国の代表はこの二つが合わさっていたが、アクトゥスは露骨な分け方をしていた。だから、アスナの対応もそれに合わせたものになったのだろう、とヴォルゲイフは推測した。
「駄竜討伐の際に見たが、副王は非常に果断だった。あの決断の早さがあればこそ、急場を乗り越えられ続けてきたのだろう」
「それは結構なことだが、いつか必ず躓くぞ」
「それがなサンジェスト。副王は誰でも思いつくことを指示した後に、急場を乗り越えられそうな知恵や経験の持ち主を補佐につける。あとはその者の助言を認める。疑問があれば質問し、また判断を下す。閣議を傍聴した息子が同じ光景を見ている。内容は話さなかったがな」
  サベージの頂点に立つ三人の男たちは深刻な表情を浮かべた。
  それが最善だからそうする。これが如何に困難であるか彼らはよく知っている。
  サベージは他種族国家だ。何か大きな事業を始めようとすれば、交渉や調整を数多くこなさねば実行できない。
  朝議の席で方針が決まっても、実行の段になると歪になっていることが良くある。
  ラインボルトの速さの理由はそれは責任の所在が明らかであり、闊達な意見交換がされている点だ。風通しが良いのだ。
  アスナが意識していない要素が二つある。ラインボルト最大の戦力を掌握している点だ。人魔の規格外、近衛騎団、魔軍。全てがアスナに平伏している。
  これまでの行動から武力の行使に躊躇がないように見えること。
  そして、もう一つが食事会だ。王に声を届ける数少ない機会を物にするには建設的な提案が求められる。最近は招待しない権利を行使し始めたらしく、議員や官僚たちは戦々恐々としているだろう。
  シェヴァリウスはグラスを煽った。酒臭い息を吐くと、
「交渉相手になると分かった。提案された海路の安全を共同で確保しようという条約、どう思う? 検討は始めさせているが」
「賛成だ。ラインボルトの船と金で海棲魔獣や海賊を討てるのだからありがたい話だ。勝手に私掠船を仕立てて水先案内をしている貴族たちを条約を盾に制御できるかもしれん」
  サンジェストは即答した。
  私掠船の話はサベージ王宮では度々問題となっているのだが、彼らが魔獣討伐も兼業していることもあって禁止を命じられないのだ。
  おかげでサベージへの航路は水先案内料が嵩み、交易の旨味を減らしていた。
「反対はしない」
  ヴォルゲイフはそう返事をした。賢狼族にとって大きな利益となる話ではないからだ。
「うむ。では、検討の後押しをしておこう。次」
  矢継ぎ早な提議にヴォルゲイフとサンジェストは眉を少しあげた。
  王は坂上アスナの果断さを気分だけでも真似てみたのだろう、と二人は思った。しかし、わざわざそのことを指摘しない。
  二人も、自分の家臣団の前で同じことをしようと思っていたからだ。
  そんな二人の様子を察して王は頬を含羞で染めた。
「和平仲介の件はどうだ?」
「ラインボルトと共謀して作るという話か」
「副王がその場の気分で話したことだぞ。それを忘れてくれるな」
  分かっている、とサンジェストは笑った。
「個人的には面白い。だが、些か品がないのも事実だ。一般論に則り双方に人を出せば良い。そうすれば両者の意見と戦況を鑑み、という名分で話を始められる。どうだ?」
「ヴォルゲイフの息子が滞在している屋敷を連絡所代わりに使えば良かろう。先方もそのつもりだろう。違ったとしても無駄にはならん。それで、だ」
  二人はほぼ同時にヴォルゲイフに顔を向けた。
「どちらもラインボルト寄りの政策だ。我らの利になる政策であるし、これに不可侵が加われば尚良し、だ」
「しかし、陛下。ラインボルトはアクトゥスに肩入れするぞ。サンジェスト、援軍要請が来たらどうするつもりだ」
「そうだな。その話もある。リーズが報復に動いた場合、焼かれるのはお前の領地かもしれんぞ」
  良好な関係を結ぶ努力が続いているとはいえ、報復に躊躇がないのもまたリーズだ。
  全ては竜王の気持ち次第でことは動く。
  サンジェストは自分のグラスを回した。氷が甲高い音を鳴らす。
「無論、領主としてならば反対だ。天鷹公としてならば、違う考えもある」
「聞かせろ」
「航路の条約、あれは二国間とも三ヶ国間とも決まっていない。サベージ・ラインボルト、ラインボルト・アクトゥスと似た内容の条約が二つ結ばれるかもしれない。そうなった時、面白くはないな。航路の安全が保たれれば我が国からも貿易したいとアクトゥスに向かう商会が増えるだろう。そうなった時、関税その他の面で不利になるかもしれん」
「だが、ラインボルトを介して……。いや、そうか。うむ、まずいな」
  自分の言葉を切欠にしてシェヴァリウスはサンジェストに危惧に気付いた。
「アクトゥスの産品が欲しければ、ラインボルトを介して購入する。アクトゥスは我が国の産品が欲しい時は、ラインボルトを介して購入する。こうなるとラインボルトの影響を受ける商船が我が物顔で航海するだろう。陛下、これは面白くない」
  援軍を求めるアクトゥスが同盟の対価として締結するだろう、と予測が出ているだけに断ることも出来ない。安全な航路とそうではない航路。商船がどちらに力を入れるか。
  そんなことは誰でも想像できる。
「ニルヴィーナ姫に王家の養子として輿入れしてもらう。縁戚が理由となれば周囲にも説得がしやすくなる」
「どうだ、ヴォルゲイフ」
「それがな、老臣たちから反対されている」
「……賢狼の取り分が少ないと見ているか」
  賢狼族と配下種族の領地には海がない。条約のために奔走しても継続的な利益がない。
  交渉担当を任されても小銭が稼げる程度だろう。
  ラインボルトに賢狼族向けの利権を用意しろなんて言えない。
  サベージへの提案なのだから、国内で調整しろと言われて終わりだ。
  また、国益になると分かっても反対を続ければ国内での評価を落とすことになる。
  ラインボルトは非常に困った提案をしてきたのだ。
「聖虎と賢狼の間に未開発の銀山があっただろう。それの開発を認めよう」
「良いのか?」
  五十年ほど前に戦火が燃え上がる寸前まで揉めた結果、開発計画は凍結されたのだ。
「姫の輿入れの祝いに計画を再開する。賢狼が五.五、聖虎が四.五というのでどうだ」
「六、四でどうだ」
「無理を言うな」
「ならば造幣所と工房町をこちらに建設するというのでどうだ」
「……役人の枠は貰うぞ」
  と、シェヴァリウスは譲歩した。
「まてまて、造幣所となれば話は別だ。我々にも枠を用意して貰いたい」
「なら、お前はどうする。サンジェスト」
「そうだな。和平案で譲歩。あと職人も送ろう。品が良ければ優先的に買い取る」
  どうだ、というサンジェストにヴォルゲイフは頷いた。
  銀山が開発できるのであれば老臣たちも納得するだろう。
  産出する銀を元手に領内の開発を進めるのだ。安全が確保された中で行われる事業はさぞかし楽しいものになるだろう。
  畑は広がり、工房の数も増える。人が増えれば、町も大きくなり、税収も増える。
  贅沢に使えば泡と消えてしまうが、開発に用いれば別の形になって育って帰ってくる。
  そこまで考えて、ヴォルゲイフは表情を曇らせた。
「どうした。まだ懸念があるのか」
「……こういうことに娘を使うと覚悟は出来ていたが、せめて正妃として送り出したいと思っていたのだ」
「巡り合わせとしか言いようがないな。それとも止めておくか」
  数秒の間をおいてヴォルゲイフは首を振った。
「贈られた香水を嬉しそうに付けて、花の種を楽しげに育てているあの子を見ていると、な。それに良縁には違いない。あのことを知って受け入れてくれているし、エルトナージュ姫たちとも親しい。国にも利益をもたらしてくれている。見知らぬ地に嫁がせるよりもずっと安心して送り出せる」
「そうだな」
  獣王はそれ以上、何も言わずに彼のグラスに酒を注いでやった。
  王も昨年、上の娘を嫁がせたばかりだ。ヴォルゲイフの胸中を慮ることができる。
  だから彼は旧知のグラスに酒を注いだ。
「おめでとう、とそれで良いのではないか」
  父は一気に酒を呷り、
「そうだな」
  と、酒臭い息とともに同意した。
  無論、この取り決めはこの場でのみのことだ。
  これから様々な調整を歴なければならない。三人が合意した通りには纏まらないだろう。それでも目指すべきところは明らかとなった。それだけでも大きな違いだ。
  息子に手紙を出そうと思った。

 ラインボルト北西にセデナという港湾都市がある。
  海への玄関口であり、海軍の根拠地でもある。長い年月をかけて投資を続けた結果、幻想界有数の港として知られている。
  木箱や麻袋に詰められた品物を上げ下ろしする荷役の男たちが荒々しいかけ声をかけあいながら荷下ろしをしている。船から艀という小舟に、艀から桟橋へと筋骨逞しい半裸の男たちが動き回っている。船から上陸する水夫の姿もある。
  もう少し日が暮れれば花街に繰り出して、酒と女、賭博に興じるのが常だ。
  風光明媚な地とも知られており、海を一望できる高台には富豪の邸宅や別荘などが建てられていた。異国への扉ということもあり、旅行客も多く訪れる。
  人々は往来を行き交い、種族も様々だ。
  高級宿のテラスから街の様子を遠望する女性がいた。
  王妃グレイフィルだ。故国アクトゥスへ向かう迎えの船の到着が遅れていたのだ。
  彼女の娘ベルーリアは部屋で勉強をさせている。
  エグゼリスでは楽しく過ごさせてあげられたが、これからは姫として振る舞って貰わねばならない。船の遅れは娘の気持ちを改めさせる良い時間になると王妃は考えていた。
「…………」
  彼女にとってもラインボルトへの旅は有意義な物だった。
  故国を窮地から掬い上げる強い札は手に入らなかったが、関係改善の糸口を掴めた。
  それらは細く容易に切れてしまう糸かもしれない。それでもグレイフィルにとって未来を引き寄せる糸だ。諦めの中にあった彼女にはあまりにも眩い。
  国内では彼女を廃する方向性が出来つつある中でこんなものを見せたラインボルトの副王は極悪人だ。やがて外患になるのかもしれない。
  それでもグレイフィルはその手を握ろうと思った。
  娘を放逐された姫と呼ばせないために。
「妃殿下、迎えの船が到着いたしました。ご挨拶申し上げたいとのことです。お目通りをお許し頂けますか」
  使節団副団長を務めるセギン男爵だ。ラインボルトの副王に色々と言われていたからか、今は緊張の抜けた顔をしている。
「許します。こちらに」
「すぐに連れて参ります」
  彼が戻ってくる間に侍女に諸事を申しつけておく。面会にもそれなりの手順がある。
  程なくしてセギン男爵は、潮焼けした精悍な顔つきの男と文官のように見える下ぶくれた顔の男を連れていた。二人とも知らない顔だ。
「こちらお迎え船の船長を務めるサント・ゴナー殿。そして、こちらが捕虜返還交渉の現地交渉役を務めるフェニル・ビサコ殿です」
  二人は膝を突いて畏まった。
「妃殿下をお迎えできたこと誠に栄誉なことと存じます。また、到着が遅れたこと、お詫び申し上げます」
「そなたらが無事に到着した。そのことを私は喜びとします。良き航海を願います、船長」
「はっ。お任せ下さい」
  船長に一つ頷きを与えると、彼女はフェニルに顔を向けた。
「陛下より妃殿下をお助けせよと命を受けております」
「頼りにしています。そなたとは後ほど打ち合わせをしておきたい。よいか?」
「承知いたしました、妃殿下」
  グレイフィルは頷いた。
「船長、そなたには悪いが出港は少し遅らせてもらう。ラインボルトで良くしてくれたジネド伯爵に感謝の宴を催したい。よろしいか?」
「はっ」
  これは水夫たちに休息を与える口実でもある。
  感謝の気持ちも本当だ。ジネド伯爵には色々な世話をかけた。
  これから数日、忙しくなる。宴席の準備だけでなく水夫たちへの労いも必要だ。
  また、フェニルにラインボルトの枢要な人たちの為人や彼女の意向などを伝え、頻繁に連絡を取るように言い含めておかねばならない。
「両名とも立ちなさい。まずは乾杯をしましょう」
  王妃の言葉を受けて、控えていた侍女たちが酒杯の準備を整える。
  各人グラスを手に取り、王妃は音頭を取った。
「そなたらの無事の到着を祝し」
「妃殿下列びに姫様のご健勝を喜び」
  そうしてグラスは乾した。
  困難な道のりには違いない。それでも諦めの泥濘に沈んでいくよりも納得のいく結末を迎えられるはずだ。
  グレイフィルは改めて、そう思い定めたのだった。

 隣国より訪れた使者たちは帰国後、すぐにラインボルトの様子を主君や周囲に語って聞かせた。彼らが語る内容は概ね同じだ。
  戦乱の中にあって疲弊していてもラインボルトを侮ってはいけない。
  警戒は必要だが、敵視する必要もない。
  文化芸術に理解があり、幻想界の古き血への敬意も感じられる。
  なによりリーズの勅使代理と堂々と言葉の応酬を行ったことと、狩猟会での駄竜騒動が若き副王への期待と信頼に繋がっていた。
  使節団からの報告を聞いた王たちは安堵を得た。
  人族であり、内乱の中から現れた人物にどう対応して良いのか分からなかったのだ。
「これまで通りで良さそうだ」
  とある国の大臣はそう呟いたという。
  それが分かっただけでも大いなる収穫であった。王たちは功績のあった者たちを大いに賞し、騎士たちは栄達する機会を得た。
  また、彼らの多くが即位式にも参加することになるのであった。
  後日、この反応を確認したラインボルト政府は密かに祝杯を挙げた。
  その最中に、ラインボルにヴィドゼガ騎士団が襲来したとの報せが舞い込んできた。
  ラインボルトへの深い同情とともに、どう対処するのか注目するのだった。

 



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