|
ラインボルト(らいんぼると)【国名】
魔王の国の別称を持ち、五大国の一つに数えられる。
初代魔王リージュがリーズに対して起こした独立戦争の結果、生まれた国。
魔王は世襲制ではなく、そのチカラを継承できる者に王位が禅譲されてきた。そのため、貴族などの特権階級は生まれず、国の運営は国家試験その他によって採用された官僚たちによって行われている。官僚の発言力は大きいが魔王という要がなければ国家として成り立たない以上、君主としての魔王の発言力は変わることなく大きい。
行政府である内閣、立法府である名家院、司法を司る大法院による三権分立がなされ、最高意志決定者として魔王が君臨している。
地方は幾つかの州に分けられ、知事の指揮の下で地方行政が行われている。
ラインボルト独立戦争(らいんぼるとどくりつせんそう)【戦争】
初代魔王リージュが起こしたラインボルト独立に至る戦争。
当時、ラインボルト領土は竜族の支配下にあり、そこに住まう者たちは搾取の対象であった。後の夫であり、当時恋人であった男が竜族の遊びで重傷を負ったことにキレたリージュが勢い余って反旗を翻した。
理由不明で魔王のチカラを得たリージュを旗頭にして各地で蜂起が起こり、竜族は放逐されて独立を勝ち取ることになる。
ラインボルトの王族(らいんぼるとのおうぞく)【地位】
魔王の子孫たち。
彼らには中規模の都市の統治権が与えられ、その都市長は世襲される。
そのため、不正などを行った場合は審査の上で都市の統治権が剥奪されることになる。
事実、八王家の一つラディウス家は当時の当主の素行不良により、都市の統治権を剥奪されている。しかし、王家としての籍は残されている。
ラインボルトにとって魔王は必要不可欠な存在である。その魔王の子孫が不正を行えば、民衆に対して示しがつかないため、特に厳しく監督・指導される。
王族の特権として、領する都市から国に治める国税は他都市と比較して三分の一で済む。残り三分の二は王族としての体裁を整えるために与えられる。しかし、それも殆どが領する都市に再投資されたり、孤児院などの慈善団体に寄付されることが慣例となっている。
ラインボルトに存在する王家は八家のみである。
現在、坂上アスナは後継者であるため、まだ王家として一家を建ててはいない状態にある。
ラディウス(らでぃうす)【国家】
冥王の国の別称を持ち、五大国の一つに数えられる。
正式な国号は正統ラインボルトであり、王の尊称は魔王である。
第五十一代魔王ルーディスが崩御した後、彼の側近であり義弟として遇されたナイエ・ラディウスと次代の魔王との軋轢の末に起きた内乱の後、成立した国家である。
ラディウスという国号はこの人物の姓によって名付けられている。
ラインボルト政府はラディウスとの間に休戦条約の締結を行ったが、正式な独立は認めておらず、現在も交戦国という扱いである。
ナイエ・ラディウスの側近と内乱で大功を掲げた十二名を始祖とする十二公爵家によって国家の運営が行われている。
拡大王と呼ばれたルーディスの思想を受け継ぎ、新たな領土獲得を行っている。
自身こそがラインボルトの正統であると誇示する余り、初代魔王リージュが治めていた当時、つまり人魔だけの国家であることがラインボルトの正統を示せるとして行き過ぎた人魔至上主義が横行し、人魔以外の種族から反感を受けている。
しかし、ラディウスは実力主義であるため大功さえ掲げれば貴族に取り立てて貰えるのでそういった問題が表面化していない。
リーズ(りーず)【国家】
竜王の国の別称を持ち、五大国の一つに数えられる。
幻想界の最強種たる竜族が治める国家。現存する幻想界の国家で最も長い歴史を有する。
一時期は幻想界の殆どを有する大帝国を築いていたこともあり、唯一皇帝を名乗っていた。
しかし、初代魔王リージュの独立戦争を契機として各地で独立運動が起こり、当時の五分の一にまで国土を狭めてしまうこととなる。
竜族が最強種であるが故に竜族至上主義をもって国が運営されている。
竜の血族以外は農奴――領主の身分的支配を受け、土地に縛られて移転の自由をもたない農民として扱われている。
この思想はラディウスの人魔至上主義に影響を与えているという。
その頂点として、金色の鱗を持つ竜王が君臨し、その下に存在する諸貴族たちにより国家の運営がなされている。
竜王の権威は強大だが、侯爵以上の大領主たちの独自性も強い。
リーズは竜族が強大な力を有するが故に成立している国家と言える。
竜王(りゅうおう)【地位】
リーズ国王の尊称。
リーズ領内において絶対権力を有する。また、世界一の富豪でもある。
龍族(りゅうぞく)【種族】
ゲームなどで見られる蛇のような長大な身体に四つの足を持つ龍のこと。
彼らは高い知性と己が持つ強大な力ゆえに他の種族への干渉は行わない傾向にある。竜族と同じく人型に変化することも出来るが、必要でない限りそれを行わない。
彼らは主にラインボルト北東部にある山脈――龍峰を住処としている。だが、若者は龍峰から外に出て幻想界を飛び回って見識を広げる旅に出ていることが多い。
彼らの鱗や角、たてがみや爪は武具や調度品の材料、血肉は薬などとして重宝されている。
龍族の長はラインボルト国内において大公の地位にあり、王城において魔王に次ぐ礼遇を受けられる立場にある。
そこからも分かるとおり幻想界では畏敬の念を集めている種族である。
竜族(りゅうぞく)【種族】
ゲームなどで見られる首が長くて四つ足で翼を持つドラゴン。
高い知性と己が持つ強大な力ゆえに高慢な性質の者が多い。通常は人と同じ姿に変化して生活しているが、本来の姿は上記のドラゴンである。
人の姿をしているのは一つの都市に居住するための打開策である。だが、その生活が長く続いたためか”人の姿に変化しているのではなく、人の姿から竜へと変化する”という風に考え方が変わってしまっている。
竜族は鱗の色によって力の強さを判別することが出来る。
王族である金と銀、貴族である赤や青などの単色、士族である雑色の三階層に分類され、この身分格差は何があっても変わることはない。
竜の眷属(りゅうのけんぞく)【種族】
竜の姿に変化することの出来ないが、竜の血族にある者たち。
竜族には多種族に血を分け与え、身の回りの世話をさせる眷属を産む習慣がある。
そのため、竜の眷属は一人の存在として扱われず、従属する竜族の所有物として扱われる。
リーズ国内に置ける眷属の地位は主人である竜族の地位に準じる。
竜族は力の区分を鱗で示しているのと同じく、竜の眷属は頭髪と瞳の色で判別することが可能である。
両親が純血の竜族であるにも関わらず、眷属として生まれた者は忌み子として扱われる。
料理(りょうり)【その他】
アスナの趣味にして、生活の一部だったもの。
日本の家庭料理と呼ばれるものならば、アスナは大抵作ることが可能。少し難しいものでもレシピがあれば何とか作れる。
しかし、さすがにゴージャスなものになると手に負えない。
アスナは幻想界では醤油など日本の調味料とまだ巡り会っていないので、少し恋しい気持ちになっていたり。
ルピアの水(るぴあのみず)【薬品】
幻想界は数多くの種族が存在している。当然、種族間で血液の互換性はなく、全種族の輸血用血液ストックを確保し続けることが難しい。そのため代替血液として開発された魔法薬。輸血する時と同じように用いられる。
有効な薬品だが、使用すると免疫力が大きく低下するので術後の処置はしっかりしないといけない。
ロゼフ(ろぜふ)【国家】
岩窟族の国。
ラインボルト北東部にある山々に囲まれた国。
主要産業は林業と鉱業。反面、広い平野がないので農業には不向きな土地柄。
ラインボルトとサベージに挟まれる形で存在し、両国に対して鉱物や木材を輸出し、食料などを輸入することで成立している国だ。ロゼフの北には中規模の港湾都市もあり、海を挟んだ向こうにあるリーズとその衛星諸国とも取引を行っている。
王と貴族たちによって国家は運営されている。現状では貴族たちの方が発言力が大きい。
拡大王ルーディスの時代にラインボルトとの間で戦争が起こった。その結果、ワルタという地域をラインボルトに割譲することとなった。
|